社交不安障害とは?

 

 

社交不安障害とは

社交不安障害(Social  Anxiety Disorder:SAD)は、不安症の一種で、対人場面などで過度に不安や緊張、恐怖感を感じてしまい、それを回避しようとする疾患です。

自分自身の行動が否定的な評価を受けることを過度に恐れ、自責の念が強く、他人が自分に対してネガティブな印象を持っているのではないか、と考える方が多いそうです。

 

 

発症するのは主に青年期で、不登校や引きこもりの原因になることもあります。障害有病率が3~13%である、という調査報告もあり、かなり身近な病気であるといえます。

 

また、他の精神疾患と併発することも多く、アメリカで行われた調査では、社交不安障害の患者さんの6割近くは何らかの精神疾患を併発していたそうです。特に社交不安障害以外の不安障害(56%)、うつ病(42%)、アルコール依存症(40%)が多かったそうです。

うつ病と併発しやすい疾患 - 心理学のはな

 

社交不安障害の症状が出やすい状況

・人と話す

・あまり親しくない人と会う

・周りの人に見られる

・人前で飲食を行う

・スピーチなど人前で何かを披露する

 

 

要因

社交不安障害は遺伝的要因、環境的要因、気質要因、経験的要因など様々な要因によって引き起こされるということが考えられます。

遺伝的要因としては、行動抑制傾向などが影響しやすいといわれています。

環境要因として幼少期の虐待経験などは、間接的な要因になりうることがあります。

気質的要因としては、対人場面においてその人が自分や他人の反応をどのように考えるのか、ということが社会不安障害に影響している場合があります。

経験的要因としては、人の目の前で失敗した経験や、他人が失敗しているところを見かけることが発病の原因になることがあります。

また脳のメカニズムに注目すると、社交不安障害の人では大脳辺縁系扁桃体の過活動が見られるとされています。扁桃体は感情を司る脳の部位ですが、特に人前で話しているときなどにこの部位が過剰に活発になっているという報告もあるそうです。

 

 

治療

薬物療法

SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)のフルボキサミンパロキセチンなどが治療効果があるとされており、保険適応もされています。また、SNRIセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)のベンラファキシンでも効果が認められています。

抗うつ薬の分類 - 心理学のはな

 

薬物療法は比較的効果が早期に出やすく、SSRI を用いた調査では6,7割の場合に1年以内に効果が見られたそうです。

 

心理療法

社会不安障害の治療で比較的よく用いられている心理療法認知行動療法です。

認知行動療法の中でも暴露療法や認知再構成法などが主に用いられることがあります。

 また、ソーシャルスキルレーニングや森田療法が用いられることもあります。

 

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