カタルシスとは？

カタルシスという言葉は、アリストテレスの著書『詩学』の中で初めて用いられました用語です。アリストテレスは「悲劇が観客の心に恐れと憐みの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果」としてカタルシスという言葉を用いました。

それから様々な宗教や文献の中で、カタルシスという言葉は用いられるようになっていきました。

心理学用語としてもカタルシスは用いられることはあります。

精神分析の創始者フロイトの先輩に当たる医師のブロイアーはヒステリーの治療において、心に蓄積した感情の表現を促すことによってヒステリー症状が改善されることを発見しました。その後、フロイトが精神分析学においてカタルシスという言葉を用いるようになりました。

このようなことから、心理学用語としてのカタルシスは不安や緊張などの原因となる強い否定的な感情を言葉や行動で表現し、開放するといった意味で用いられます。そして、カタルシスによって症状が改善されることをカタルシス効果といいます。

現在では精神分析療法だけでなく、自律訓練法、遊戯療法、芸術療法などでもカタルシスによる治療効果が認められています。