マインドフルネスとは?
マインドフルネスは第3世代の認知行動療法の一種と言われています。ちなみに第1世代は行動療法、第2世代は認知療法と言われています。
マインドフルネスの定義は「今この瞬間に集中し、ありのままを受け入れる状態」などとされています。
従来の認知行動療法では、ネガティブな思考の歪みを認識し、それを修正していくというものでした。しかし、ネガティブな思考を排除したり抑えたりすることに固執することで、かえって苦痛が大きくなってしまうといった問題点も、指摘されていました。マインドフルネスでは、そのような思考への介入は行わず、そのままにしておくという訓練を行うことで、ネガティブな思考から自然と距離をおけるようになることを目的としています。
マインドフルネスというと、やや怪しい印象を受けるかもしれませんが、実は科学的にも効果があることが認められています。
例えば、うつ病、摂食障害などの精神疾患の症状改善、慢性的な痛み、喫煙の頻度の減少などが見られたことが報告されています。またそのような病気以外でも、リラックスや怒りの緩和などの効果が見られました。
マインドフルネスの種類
呼吸瞑想
瞑想は仏教で古くから行われていました。
瞑想と言ってもやり方は様々ですが、マインドフルネスでよく行われる呼吸瞑想は楽な姿勢で座って意識を呼吸に集中する方法です。
瞑想をしていると意識が呼吸以外に向いてしまうことがありますが、それに気づいたら再び意識を呼吸に向けていきます。
誰でも手軽にできることが大きなメリットで、寝る前に3分だけというように行うことができます。ただ理想を言うと、1日20分ほどできると効果が出やすいそうです。
レーズンエクササイズ
レーズンを用いたマインドフルネスです。一人でやるよりも、集団で進行役の指示に従って以下のような手順で行うことが多いです。
- レーズンを一粒用意します。レーズン以外でも構いませんが、できれば表面が凸凹していたり、手で持てるようなものがいいです。
- まずレーズンを指でつまみながら、じっくりと観察していきます。重さ、感触、弾力、形などに注目していきます。
- 次に手のひらにおいて表面をじっくり見ていきます。転がしてみたりして動き方を見たり別の表面を見てみるのもいいかもしれません。
- その次に香りをかいでみます。どんな香りがするか観察したら、次にレーズンを口に含んでみます。口に入れてすぐに飲み込まず、舌の上で転がしてみたりして感触や味を確かめてみたりします。そのあと、ゆっくりレーズンを噛んで、口の中に広がる風味の変化に注目していきます。
- そして、ゆっくりと飲み込んでいき、のどを通る感じ、食道を通る感覚を観察していきます。
いつも行っている食べ物を食べるという動作を、普段と違うやり方で行うことで、物事の経験の仕方が変わりやすくなるという効果が期待されています。
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参考文献