今日は心理療法の中でもメジャーな3つの理論について簡単にまとめていきたいなと思います。
心理療法の中でも精神分析療法、認知行動療法、クライアント中心療法はどれも広くその理論や技術が知られ、用いられている心理療法です。一つずつ見ていきましょう。
この記事はこんな人におすすめ
・主要なカウンセリングについて知りたい人
・心理療法の技法について簡単に知りたい人
精神分析療法
フロイトが創始した治療法です。
無意識による葛藤が原因で様々な精神的な不調が起こるという前提のもと、無意識の葛藤を意識化し、洞察していきます。
無意識を意識化していく方法としては夢の内容から無意識を探っていったり(夢判断)、自由に思い浮かんだことを話してもらう方法(自由連想法)などがあります。
精神分析療法のデメリットとして、費用や時間がかなりかかります。基本的に1回1時間弱のカウンセリングを週3~5回行うのでかなり負担が大きいです。
そのため、精神分析的心理療法と言って、従来の精神分析より少ないカウンセリング回数で精神分析的解釈を用いる方法が現在行われています。
認知行動療法
認知行動療法はもともと、認知療法と行動療法で別々だった2つの心理療法の技法を組み合わせたものです。それぞれ紹介していきたいと思います。
認知療法
ベックが創始した心理療法で、うつ病の治療のために考案されました。
うつ病では否定的な認知の歪みがあり、それによってその人が感じる気持ちや行動、身体の状態が影響されるという前提があります。そのような認知の歪みを明確にして、修正していくという技法です。
否定的な認知の歪みとは例えば、「上司によく注意されるのは自分が仕事ができないからだ」と思っていても、実際は上司は「将来有望だと思っていて指導に熱が入ってしまうため、結果として注意が多くなってしまう」といったように実際の理由と本人の認識が異なることが当てはまるかなと思います。
行動療法
行動療法は行動心理学の理論を前提とした心理療法です。
行動心理学や行動療法の特徴として観察可能な客観的なものだけを対象にします。具体的には主体(例えば自分)に対する刺激とその刺激に対する反応を観察していきます。
行動療法に基づく技法にはトークンエコノミー法や系統的脱感作法など様々なものがあるので、いずれ紹介していきたいと思います。
認知行動療法に対するデメリットとしては、表面的な解決のみで根本的な解決にはならないのではないか、という批判があります。
クライエント中心療法
ロジャースの提唱した心理療法で、臨床心理学の中心的な理念となっています。
非指示的カウンセリングとも呼ばれ、基本理念としてクライエントは自分で自分の精神的問題を改善できる力(自己実現傾向)がもともとあるため、セラピストはクライエントがその力を引き出すために寄り添うという考えがあります。
そのため、カウンセラーは何か具体的な指示や断定的なことは基本的には言いません。
傾聴や無条件の肯定的理解というのを重視していきます。
これら3つの心理療法はそれぞれ独立しているわけではなく、精神分析療法のセラピストがクライエント中心療法的なアプローチをしたり、認知行動療法のセラピストが精神分析療法的な考察をすることもあります。
まとめ
心理療法の主流なものとして、無意識の意識化によってクライアントの葛藤に介入していく精神分析療法、認識や行動を変えていく認知行動療法、クライエントの主体的な改善を促すクライエント中心療法に分けられる。
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