ストレンジ・シチュエーション法

 

ストレンジ・シチュエーション法

ストレンジ・シチュエーション法は、ボウルビイのアタッチメント理論(愛着理論)をもとにエインズワースによって作成された1歳頃の乳児と母親の愛着を測定する実験の方法です。

 

実験のやり方

  1. 満一歳ほどの乳児と、その母親に見知らぬ人物(実験者)のいる実験室に入ってもらいます
  2. 母親は実験者に子どもを預けて部屋をいったん部屋を退室します
  3. しばらく経ってから母親が戻ってきます

実験の中で見られた様子によってA群、B群、C群に分けられました。また、のちの研究ではD群が付け足されることになりました。

 

A群(回避型)

母親との結びつきが弱く、母親が退室する(分離)ときも泣かず、戻ってきたときも母親を避けるような様子が見られるタイプです。

A群の子どもの親は、子どもを拒絶してしまっている傾向にあります。例えば、子どもが甘えたがる信号を出しても、親はそれを適切に受け止めることができなかったりします。

 

B群(安定型)

母親がいなくなると不安そうになったり泣き出したりします。母親が戻ってきたときにはスキンシップを求めて、安心できると再び活動します。母親との結びつきが強く見られます。

B群の子どもの親は感受性や情緒性が強く、また行動が一環しているため、子どもも信頼感をもつことができます。

 

C群(アンビバレント型/葛藤型)

母親に対して十分な信頼感を持つことができないタイプです。

分離の際には激しく泣いて、再開したときには身体接触を求めながら怒って叩いたりするなどします。

C群の子どもの親は、行動に一貫性がなくどのようなことをするのか予測できないという傾向にあります。子どもが甘えるとそれに答えることもありますが、対応の仕方がその時々で変わってきます。そのため子どもとしては甘えても必ずしも受け入れられるか不安で、用心深くなってしまいます。

 

D群(無秩序型)

Dタイプは最近になってできた枠組みです。行動に一貫性がなく、方向性が見られないタイプです。

 D群の子どもの親に関しては明らかになっていないことも多いですが、抑うつ的だったり精神的に不安定な傾向にある、と言われています。また、被虐待児を対象にした調査では、虐待を受けた子どもの約8割がD群に当てはまっていたそうです。

 

エインズワース自身が世界8か国で約2000人の乳児を対象に調査した結果によれば、A群が21%、B群が67%、C群が12%でした。ただ、この割合は文化によって異なり、アメリカを基準にするとドイツではA群、日本やイスラエルではC群が高かったそうです。

ちなみに、のちに追加されたD群は全体の約15%ほどが当てはまるのではないか、と言われています。

 

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