光療法 -光を浴びてうつ病治療-

 

 

光療法(高照度光療法)は主に季節性感情障害に対して用いられる治療法です。

季節性感情障害は冬季うつ病ともいい、秋や冬ごろになると通常のうつ病のような症状が見られ、春になると回復するというものです。その原因はよくわかっていませんが、日照時間と何らかの関係があるのでは?と考えられています。

 

本当に効果があるの?と疑問に思う方も多いかもしれませんが、効果を裏付ける研究もいくつか示されています。

軽症の季節性感情障害では寛解率67%、中症状~重症では寛解率40%だそうです。

また、光療法を行ったグループと抗うつ薬(ここで用いられたのはSSRI)による薬物療法の治療を行ったグループの症状の経過を見た結果、同じような改善率が見られたそうです。 実際には抗うつ剤との併用を行うことが多いようですが。

 

 

光療法の実施方法はいくつかやり方はあるそうですが、ここでは一般的なものを紹介していきたいと思います。光療法では、光箱(ライトボックス)という蛍光灯の付属した専用の箱を用いて行います。

光の強さは照度が2500ルクスから10000ルクスになるようにします。最近では青色LEDを用いることで、750ルクスほどの照度でも十分な効果が見られるそうです。ルクスという単位は聞きなじみがないかもしれませんが、目安として快晴の日の屋外では100000ルクス、家庭のリビングの照明では200~500ルクスほどといわれています。

光箱と目の距離は50㎝から80㎝ほどです。

治療中は寝たり目を閉じてしまうと効果が薄くなってしまいますが、光源を見続ける必要はないので、本を読んだり何か食べたりすることができます。

治療時間は照度によっても異なりますが、2500ルクスなら2時間、10000ルクスなら40分ほどとされています。

 

さて、そんな光療法ですが、季節感情障害以外のうつ病に対しては効果はあるのでしょうか?

実は季節性感情障害以外でも睡眠障害で用いられることもあります。

また、睡眠障害と異常行動が同時に見られる認知症患者に用いることで、良い結果が得られたという研究もあります。

さらに通常のうつ病双極性障害に対しても、まだ決定的な効果は得られてないものの、やはりこれらに関しても一定の効果が見られるのではないか、という意見があります。

 

現在はあまり一般的ではないですが、これから普及していくかもしれませんね。

 

 追記

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別の方の記事ですが、光療法をやってみたそうです。一般の人でも買えるんですね。

ただ、うつ病治療用ではないので、若干種類が異なるのかもしれません。

 

 

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