逃避学習と回避学習<心理学用語>

逃避学習と回避学習の違い 

逃避学習回避学習は、どちらもオペラント条件づけにおける負の強化です。負の強化はオペラント行動(生物が自発的に行う行動)を行うと嫌悪刺激がなくなることで、行動の生起頻度が上昇するという条件づけです。 

 

  

例えば、あなたが図書館で勉強をしているときに、周りの声がうるさくて勉強で着なかったとします。そんなときちょうど持ってきていた耳栓をすると周りの音が聞こえなくなって快適に勉強することができました。 

このとき、嫌悪刺激である周りの声が「耳栓をつける」という行動によって除去されました。そのため、耳栓をつけるという行動をする頻度は今後多くなると考えられます。これが負の強化です。 

  

上にもある通り、負の強化は主に2種類に分けられます。それが逃避学習回避学習です。 

逃避学習は嫌悪刺激を提示されている最中に、オペラント行動が見られた場合嫌悪刺激の提示を中断することによって、行動の生起頻度が上昇するという条件づけです。 

先ほどの図書館の例は、この逃避学習といえます。 

  

対して回避学習では、まず嫌悪刺激とは別に何らかの中性的な刺激を提示した後に、嫌悪刺激を提示します。するとそのうち、中性刺激を提示されたタイミングで嫌悪刺激を避けるようなオペラント行動が見られるようになるのです。 

  

有名なラット実験を例に説明しましょう。

実験ではまずラットは特殊な箱の中に入れられます。ラットが箱に入ってしばらくすると、ランプとブザーが付きます(これが中性的な刺激です)。ランプとブザーが提示された30秒後には床に電流が流れます(これが嫌悪刺激です)。箱の中にはレバーがあり、ラットがそれを押すと電流が止まるようになります。 

しばらくこの手続きを続けていくと、ラットはランプとブザーがついた段階で、レバーを押すようになっていきます。 

  

この回避学習のプロセスは 、ランプとブザーが条件刺激となり、恐怖反応という条件反応が引き起こされるというレスポンデント条件づけのプロセスも含まれていると考えられています。

 

ちなみに、このような嫌悪刺激を与えられた状況で、何をしてもその刺激を回避することができない、という経験が繰り返された場合、学習性無力感が引き起こされます。

 

 

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