今日は行動心理学の基礎の基礎、レスポンデント条件づけとオペラント条件づけについて説明していきたいと思います。
ある程度心理学について勉強した人は、だれでも知っているかもしれませんが、現在広く知られている認知行動療法の源流の一つであり、多大な影響を与えています。知らなかった人はこれを機会に覚えておくといいと思います。
レスポンデント条件づけ
別名古典的条件づけともいいます。レスポンデント条件づけは生物がもともと持っている刺激(無条件刺激)と反応(無条件反応)に中性刺激を混ぜて提示し、中性刺激と無条件反応を新たに関連付けさせるものです。
といっても何のことだかわからないと思うので、みんな大好きパブロフの犬で説明していきましょう。
生理学者のパブロフは犬がエサを食べたときの唾液や消化液の分泌を調べていました。
通常、犬はエサを食べているときよだれが出ます。しかしあるとき、エサを持っていない飼育係が部屋に入ってきただけで、犬はよだれを出していることを発見しました。
そこで、パブロフは次のような実験をしました。
犬にエサをあげる前にベルの音を聞かせたのです。すると予想通り、何度か繰り返すと、犬はベルの音を聞いただけでよだれが出るようになりました。
これを図にするとこのようになります。
オペラント条件づけ
別名道具的条件づけともいいます。
オペラント条件づけは行動の結果によってその行動の生起頻度が増減するというものです。
オペラント条件づけについて詳しく話すと長くなるので、ここでは基本的な行動と結果の関係についてだけ触れておきたいと思います。
オペラント条件づけは犬に芸をする際に活用されていますので、それに基づいて考えていきましょう。
犬にお手を覚えさせようとするとき「お手はこうやるんだよ」といった見せても覚えることはありません。おそらくお手の動作をしたときに、エサをあげたりすることで覚えさせていると思います。
犬がお手をしたときに何か喜ぶことしてあげること(報酬)で、お手をする頻度が増加します。
さて、オペラント条件づけは行動を増やすだけでなく、逆に行動が減らす場合もあります。
少しかわいそうな話ですが、昔は動物をムチでしつけたりしていました。よくない行動をさせないためです。
もしお手が癖になってしまい、なんでもかんでもお手をしてしまう犬がいてその癖を直したい場合は、お手をするたびにムチでたたくと、次第にお手をする頻度は減っていきます。
オペラント条件づけの強化や弱化などに関しては別の記事でもう少し詳しく説明していきたいと思います。