パーソナリティ障害とは?
パーソナリティ障害は「その人が属する文化で期待されるものよりも著しく偏った、内的体験や行動の持続的様式」と定義されます。ですので、周りの人とは極端に違う行動や考え方をしてしまうため、本人や周りの人がそれについて困っている場合にパーソナリティ障害である可能性があります。
分類
パーソナリティ障害はまず3タイプに分けられ、さらに症状によって10種類に分けられます。
クラスターA(風変わりなタイプ)
- 妄想性(懐疑性)パーソナリティ障害…不信感が強い、疑い深い
- 統合失調症型パーソナリティ障害…人と仲良くなるのが苦手、仲のいい人とも気楽でいられない
- シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害…感情の表現が限定的
クラスターB(感情的なタイプ)
- 自己愛性パーソナリティ障害・・・賞賛欲求、共感性欠如、
- 反社会性パーソナリティ障害・・・他人の権利を無視するなど、反社会的な行動
- 演技性パーソナリティ障害・・・派手なことをしたり人の注意をひこうとする
- 境界性パーソナリティ障害・・・衝動的で感情や人間関係が不安定
クラスターC(不安になりがちで内向的なタイプ)
- 強迫性パーソナリティ障害・・・完全主義だったり、こだわりが強い、柔軟性に乏しい
- 回避性パーソナリティ障害・・・自己不全感、自分に対する否定的な認知や評価、不安が強い
- 依存性パーソナリティ障害・・・分離に対する不安、他者への過度な依存
治療
うつ病に対する抗うつ薬や統合失調症に対する抗精神病薬のように、パーソナリティ障害といえばこの薬といったものは残念ながらありません。
ただ、パーソナリティ障害はうつ病や不安障害を併発しやすいため、それら2次症状に対して薬が用いられることはあります。
その他の治療としては認知行動療法や、スキーマ療法、SST(ソーシャルスキルトレーニング)などの心理療法の有効性が認められてます。基本的には心理療法を中心に治療を行っていくことが多いです。
また、すべての事例に当てはまるわけではありませんが、社会生活を営んでいるうちに症状が改善していき、40代ごろには障害が見られなくなっていくということもあります。
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