心理検査というとどんなものを想像しますか?
心理検査には様々なものがあり、誰でも一つくらいは、やったことがあると思います。
今日はそんな心理検査にどのようなものがあるか紹介していきたいと思います。
まず大きく能力検査と人格検査に分けることができます。
能力検査は特定の能力をどのくらい発揮できるか測るためのものです。
人格検査では日常的にどのようにふるまうのかの傾向を測定します。
能力検査は限定的、人格検査は全体的というイメージですかね!
片方ずつ見ていきましょう!
能力検査では知能検査、発達検査、適性検査、学力検査があります。
知能検査は精神年齢(MA)や知能指数(IQ)などを測ります。
WISCやWAISなどもこれです。
発達検査では心身発達の段階や程度を測り、発達の早い・遅いを測定します。「発達」とついているので発達障害もこれでわかると思われがちですが、これだけでは診断できず、知能検査や普段の様子などから総合的に判断していきます。
適性検査は職業選択や進路選択に用いられる検査です。就活サイトなどでも無料の職業適性検査などがあって、自己分析の参考になります。
学力検査はいわゆるアチーブメントテストのことでやったことがある人もいると思います。
学習の達成度を測るためのテストで、客観的な学力を調べることができます。
一方の 人格検査は包括的な心の状態を調べるため、調べる対象というより調べ方で分類されます。
人格検査は大きく、質問紙法、作業検査法、投影法に分けられます。
質問紙法は一問一答で質問に対しいくつかの選択肢の中から最も当てはまるものを選んでもらう方法です。
メリットとしては調査が容易なのと客観的なデータを得ることができます。なので、一人の人間の心理検査だけでなく、市場調査や卒論など、大量のデータが必要な際もこれと似た方法が使われます。
デメリットとしては、回答をごまかすことが比較的簡単です。
どういうことかというと、例えばアルコール依存症の重症度を測る質問紙法でAUDITテストというものがあるのですが、この中の質問項目の一つに「飲酒するときには通常どれくらいの量を飲みますか?」という質問項目があります。もし自分の重症度の測定値を下げたいと思ったら、本当の数字より少ない数値を選択してしまうかもしれません。質問項目が少なかったり、より直接的な質問だとテストの結果が主観的に変えやすくなります。
作業検査法は簡単な計算や図形の模写など何か作業の課題を与え、その作業への取り組み方や反応のパターンから人格特性をとらえようとするものです。
メリットとして質問紙法とは違い意図的にテストの結果を変えるのが難しいです。
デメリットは作業量が多いと被検者の負担が大きい、被検者のやる気がないと難しいなどです。
代表的なものとして、内田・クレペリン検査などがあります。
投影法は絵などを見せて質問に答えてもらったり、絵や文章を書いてもらったりしてそこから人格特性について理解しようとするものです。
メリットとして無意識の領域まで測定できることが挙げられます。
デメリットは科学的根拠に乏しい者があったり、結果の解釈は熟練の心理士でないと難しいことが挙げられます。
投影法にはインクのしみをみてもらって何に見えるか聞くロールシャッハテストや、木の絵を描いてもらうバウムテストなどがあります。
投影法にはユニークなものがたくさんあるので検査を受けていても楽しいですね。
まとめ
- 心理検査は特定の能力を測定する能力検査、包括的な心の状態を測定する人格検査に分けられる。
- 能力検査では知能検査、発達検査、適性検査、学力検査がある。
- 人格検査は大きく、質問紙法、作業検査法、投影法に分けられる。
個別の心理検査についての詳細はまた別の機会に解説していきたいと思います。
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