心理的リアクタンス

 


 

リアクタンスとは

心理的リアクタンス(もしくはリアクタンス)とは、思考や行動の自由が他者に脅かされた際に生じる、自由を取り戻そうとする動機です。

 

例えば、宿題をやろうと思っていた子どもが、母親に『はやく宿題をしなさい!』と言われ『今やろうと思っていたのに…』とやる気をなくす・・・なんて話を聞いたことがないでしょうか?

違和感はないかもしれませんが、考えてみれば不思議なことです。自分でも宿題をやろうと思っていて親にもやりなさいと言われているのだから、満場一致で宿題をするのが正解です。ところが、多くの子どもはこのような状況でやる気を失ってしまうでしょう。

 

実はこれは心理的リアクタンスが働いているために起こる状況です。親に宿題をやりなさいと言われることで、子どもは自分の意思で宿題を行うという自由が脅かされたため、言われた通りにはしたくなくなってしまうのです。

 

このような心理的リアクタンスは主に説得の研究において、説得に対する反発的態度がどのように発生するのか、ということを説明する概念の一つとして提唱されました。

 

心理的リアクタンスに関連する概念

ブーメラン効果

ブーメラン効果は説得されたこととは逆の態度をとってしまうという現象です。ブーメラン効果が起きる要因はいくつか提唱されていますが、そのうちの一つとして、説得が自由を脅かし、反発的態度を生起されるのではないかというリアクタンス要因があります。

 

カリギュラ効果

カリギュラ効果は、禁止されたことをほどやってみたくなってしまうという心理現象です。『カリギュラ』というローマの皇帝をテーマにした映画が、アメリカの一部の地域で上映が禁止になり、逆に大衆の興味を引いてしまったということが由来になっています。

 

これも禁止される→その行動をする自由が脅かされるということで心理的リアクタンスが働くため起こっているのではないか、と考えられています。

 

 

 
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