日本語版WISC-Ⅴがまもなく発売!WISC-Ⅳからの変更点は?

 

 

日本語版WISC-Ⅴがまもなく発売!WISC-Ⅳからの変更点は?

 

2022年2月10日に日本語版WISC-Ⅴが発売されます。対象年齢は5歳0か月~16歳11か月とWISC-Ⅳと変更はありませんが、それ以外の点においていくつか変更点があります。

見ていきましょう。

 

  • 検査の構成が変わりました。WISC-Vの解釈は、FSIQ、主要指標、補助指標の3つの指標レベルで行うことができます。
  • FSIQを含め11の合成得点が算出できるようになりました。
  • 知覚推理指標がなくなり、視空間指標と流動性推理指標に置き換えられました

 

WISC-Ⅳでは全検査IQの他に言語理解(VCI)、知覚推理(PRI)、ワーキングメモリー(WMI)、処理速度(PSI)の4つの指標得点が算出されていました。

WISC-Ⅴでは、ここが変更になり、FSIQ1つ、主要指標が5つ、補助指標が5つ、合計11の指標が算出されるようになりました。

 

主要指標とは、特定の認知領域における知的機能を表す指標であり、WISC-Ⅳの4つの指標得点のうち知覚推理指標が知空間指標流動性推理指標に分けられ、言語理解(VCI)、視空間(VSI)、流動性推理(FRI)、ワーキングメモリー(WMI)、処理速度(PSI)の5つの指標になっています。

 

補助指標は臨床的ニーズに基づいた様々なグループの認知能力を表す指標です。量的推理指標(QRI)、聴覚ワーキングメモリー指標 (AWMI)、非言語性能力指標(NVI)、一般知的能力指標(GAI)、認知熟達度指標(CPI)の5つがあります。

 

 

  • 下位検査は全部で16あり、主要下位検査(10)と二次下位検査(6)の2つのカテゴリーに分類されます。
  • 新しい下位検査として「バランス」「パズル」「絵のスパン」が、「数唱」の課題に「数唱:数整列」が加わりました。また、「語の推理」と「絵の完成」はなくなりました。

続いて下位検査に関する変更点です。

いくつかの下位検査が変更になり、指標の下位検査も変わりました。

それぞれの指標とその下位検査は以下のとおりです。

 

主要指標

主要指標 言語理解 視空間 流動性推理 ワーキングメモリー 処理速度
下位検査 類似 積木模様 行列推理 数唱 符号
単語 パズル バランス 絵のスパン 記号


補助指標

補助指標 量的推理 聴覚ワーキングメモリー 非言語性能力 一般的知的能力 認知熟達度
下位検査 バランス 数唱 積木模様 類似 数唱
算数 語音整列 パズル 単語 絵のスパン
    行列推理 積木模様 符号
    バランス 行列推理 記号探し
    絵のスパン バランス  
    符号    

 

ちなみに、WISC-Ⅳでは以下のようになっていました。

指標得点 言語理解 知覚推理 ワーキングメモリー 処理速度
下位検査 類似 積木模様 数唱 符号
単語 絵の概念 語音整列 記号
理解 行列推理    

 

 

10の主要下位検査から5つすべての主要指標得点を得るための実施時間は、およそ65~80分です。7つの下位検査からFSIQを得るための実施時間は、およそ45~60分です。

これまではFSIQを測定するために下位検査を10個は測定しないといけなかったのですが、WISC-5では類似、単語、積み木模様、行列推理、バランス、数唱、符号の7つの下位検査でFSIQを算出できるようになりました。そのため、これまでよりも短い時間でFSIQを算出することができるようになりました。

 

参考記事

【2022年2月10日(木)発売予定】WISC™-V知能検査 | 検査詳細 | 心理検査 | 日本文化科学社

 

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