洗脳とマインドコントロールの違い

 

洗脳とマインドコントロールは似たようなニュアンスで用いられて、その定義も混同されている方が多いですが、以下のような違いがあります。

 

  • 洗脳…拷問などの暴力的な手段を用いることによって強制的に意思を変えていく行為
  • マインドコントロール…ウソをついたり事実を隠したりしながらコミュニケーションをとっていくことで意思を変えていく行為

 

わかりやすいポイントは強制的に行っているかどうかというところです。

 

拷問では痛みによって信念を変えていきます。例えば、敵国のスパイを捕まえて「○○の国は素晴らしい」と洗脳していく際に、初めは認めていなかったものが、拷問を続けていくと次第に「○○は素晴らしい国なのかもしれない」と思うようになる瞬間が出てきます。その時にそれまでの暴力的な態度とは打って変わって優しげな態度でそれを肯定してあげます。このアメとムチのやり方によってそれまで揺らぐことのなかった信念が次第に変化していくことになります。

 

一方マインドコントロールはそのような暴力的、強制的な方法は用いません。ウソを吹き込んだり、不都合な事実を隠して伝えることで、その人がもともともっていた信念を変えていきます。多くの場合、自分の信念が変わっていくことを本人も実感しますが、「昔の自分の考えより今の自分の考えの方が素晴らしい」と思うため、それがマインドコントロールによるものだという意識はありません。

テロ組織や過激なカルト宗教にのめりこんでしまう人も、「私たちの活動は腐りきった世界を変える素晴らしいものだ」というようなマインドコントロールを受けていることがあります。

 

心理学のはな

 

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