児童虐待は保護者、教師、養護施設の職員などが児童に対して、何らかの危害を加える行為のことを指します。
WHOでは現在成人している人の4人に1人は身体的な虐待を受けたとされています。また、日本でも児童相談所による児童虐待の対応件数は年々増加しています(ただしこれは一概に悪いこととは言えず、それまで報告されてこなかった虐待が知られるようになってきた、とも言えます)。
『社会福祉の動向2018』では、児童虐待の加害者は実母が一番多く、48%を占めています。次いで多いのが実父で約40%、つまり90%は実の両親からの虐待になっています。
児童虐待の種類
児童虐待は以下のように分類されます。
身体的虐待…児童の体に外傷を与えるような暴行をする虐待。
性的虐待…児童にわいせつな行為をしたりさせたりする虐待。
心理的虐待…児童に心理的な外傷を与えるような言動を行う虐待。
ネグレクト…本来養育者として行うべき、児童に対する世話を行わない虐待。
虐待というと、殴る、蹴るなど身体的な虐待のようなものを想像しがちですが、例えば幼い子どもの前で親同士が暴力をふるったり、罵りあったりするのも虐待の一種になります。
ちなみに報告される虐待は心理的虐待が最も多く、55%を占めており、次いで身体的虐待が多く25%、ネグレクトは18%、性的虐待は1%になります。
児童虐待に対する対応
虐待を受けたと思われる児童を発見した発見した人はそれを通告する義務があります。(児童虐待防止法第6条)通告する先は、「市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所」とされており、「○○県福祉事務所」とか「○○市児童相談所」などと調べればお近くの施設が出てくるかと思います。
報告を受けた施設はできるだけ早く情報を収集し、保護するかどうかの判断を行う必要があります。保護が必要と判断された場合は一時保護を行います。
施設に保護された児童には、発達の度合いや心的外傷の大きさなどのアセスメントが行われます。特にネグレクトの場合は、養育者から適切な働きかけを受けておらず、発達が遅れてしまっているおそれがあります。