私たちが普段生活している中でストレスを感じることはたくさんありますよね。このストレスですがその定義についてあいまいなまま使っている人も多いと思います。
また、精神疾患に限らず身体的な疾患などの要因としてもよくストレスは語られ、原因がわからないときに使われる便利な言葉というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
今日は順を追ってストレスという概念の説明と、ストレスに対する私たちの反応、ストレスを減らす行動の種類について書いていこうと思います。
この記事はこんな人におすすめ
・ストレスについての基礎知識について知りたい人
ストレスとは
英語でstressという単語が圧力などを意味しますが、私たちがつかうストレスという言葉も、何か圧力のようなものを受けていることを指しています。
カナダの生理学者セリエはストレスを「外界のあらゆる要求によってもたらされる身体の非特異的反応」と定義しました。
身近な例だと満員電車で圧迫されるという物理的な圧力、仕事で締め切りにおわれる精神的な圧力、など
が挙げられますね。
また、私たちは圧力を与えるものも、それによって受けた影響もすべてストレスと言ったりしていますが、実はこれらも言い分けることができます。
心身に緊張を強いるような刺激をストレッサー、ストレッサーを受けて引き起こされる心身の反応をストレス反応と言います。
このストレッサーとストレス反応という単語は、ストレスがテーマの論文や記事だとよく出てくるので覚えておくといいと思います!
ストレッサーとなりうるものは、暑さや寒さなど環境的なもの、人間関係など社会的なもの、結婚、引っ越し、退職など大きなライフイベントなど様々です。
ストレスの影響
同じストレッサーを受けたらみんな同じストレス反応をするわけではありません。ストレッサーに対する認知的な評価や心理的な対処は人によって異なります。それによって、同じストレッサーでも人によってストレス反応が変わってきます。
最終的にストレス反応として顕在化するのですが、このストレス反応は3つの段階に分けられます。
まず警告反応期です。これはストレッサーに直面してから数時間~1日の間の反応で、ストレスに直面した影響でストレス抵抗性が一時的に弱くなるショック相とアドレナリンが分泌されてストレス耐性が上がる抗ショック相に分けられます。
次に抵抗期。ストレッサーに直面してから1日~10日ほど経ったときの反応です。体感的には作業への集中力が上がったり、良い状態のように感じられます。ただ、体への負担は溜まっている状態です。
最後に疲弊期で、これは抵抗期にたまった負担が出てくる時期で、集中力が下がったりします。また身体的にも心理的にもいろんな症状が現れるようになります。
コーピング
ストレス反応を減らすための行動をコーピングと言います。
コーピングには大きく2つの方法があります。1つ目はストレッサーを無くそうとする問題焦点型コーピング、ストレッサーに対する認識を変えることでストレッサーとなる刺激をネガティブな認知をなくす情動焦点型コーピング、があります。
まとめ
- 心身に緊張を強いるような刺激をストレッサー、ストレッサーを受けて引き起こされる心身の反応をストレス反応と言う。
- ストレス反応を減らすためのコーピングには問題焦点型コーピング、情動焦点型コーピング、がある。
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