ゲシュタルト心理学 <心理学理論>

 

 

ゲシュタルトという言葉は心理学に詳しくない人でも「ゲシュタルト崩壊」という言葉で聞いたことがあると思います。(ゲシュタルト崩壊は普段見慣れた漢字でも、ずっと見続けているとそれが漢字であると認識できなくなるという現象です)。

 

ゲシュタルトとはドイツ語で「体制化した構造」といったような意味があります。

ゲシュタルト心理学は、要素に還元することができない全体が持つ意味に注目した心理学の一分野です。ゲシュタルト心理学では、一つの全体はここの要素に還元することはできない、つまり全体は単なる要素の集合体とは異なると主張しています。

 

ゲシュタルト心理学の歴史

ゲシュタルト心理学創始者とされているのはウェルトハイマーというドイツの心理学者です。

 

ウェルトハイマーはそのころ支持されていたヴントの主張した要素主義を否定しました。

ヴントの述べる要素主義においては、心的な現象を各要素ごとに分解できるとしました。

例えばブドウを見た際に「ブドウだ!」と気づく心的な働きは「紫色」「小さな丸がたくさん」といったように個々に分解可能と考えたのです。

 

ウェルトハイマーは、仮現運動の実験からこのヴントの主張に意義を唱えました。

仮現運動の実験では交互に点滅する左右2つのライトが用意されます(踏切をイメージしてみてください)。左右どちらのライトも見ていると、あたかも、一つの光が左右に移動しているようにも見えてきます。ところが、どちらか片方だけ見ていると、光が動いているとは感じません。

 

このことからウェルトハイマーは、要素に還元すると全体が持っていた情報がなくなると気づき、要素主義を批判、ゲシュタルト心理学が始まりました。

 

その後のゲシュタルト心理学で活躍した人物として、レヴィンケーラーなどが挙げられます。

レヴィンゲシュタルト心理学の観点から集団力学や社会心理学の研究を行いました。特に場理論の研究が有名で、葛藤場面(同時に満たすことができない複数の欲求がある状況)を接近-接近型葛藤、回避-回避型葛藤、接近-回避型葛藤の3つに分類しました。

 

ケーラーは問題解決の方略として、周りの状況や条件などから一気に問題解決までの道筋を立てる洞察という概念を提唱しました。

 

心理学のはな

 

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