依存症、と聞いて皆さんはどのようなものを想像するでしょうか?
依存症は大きく物質依存と人間関係依存、プロセス依存(行為依存)の三つに分けられます。
物質依存は何か特定の物質を摂取してその物質の摂取をやめられなくなるというもので、代表的なものではアルコール依存、ニコチン依存、薬物依存などが挙げられます。
次に人間関係依存は、その名の通り、人間関係に関する依存で自分に自信がない人が過度に恋人の世話をしたり、いつまでも子離れができない親などが挙げられます。
最後にプロセス依存とは何か特定の行為に対し依存してやめられなくなるというもので、パチンコなどをはじめとするギャンブル依存、スマホ依存、ネット依存などが挙げられます。
プロセス依存の中にはスマホ依存やネット依存など、技術の発達により近年問題視されるようになってきたものも多いですね。
今回はプロセス依存の要因について考えていきたいなと思います。
ところで、物質依存はアルコールやニコチンなど依存物質が原因で引き起こされますが、特に何かを摂取するわけでもないのにどうしてパチンコ依存症やネット依存になるのでしょうか?
依存症についての本で共通して書かれている要因としては、以下の2つが挙げられます。
一つ目は何か嫌なことを考えたり、思い出すのを避けるために行っているということです。
依存というと、そのことが好きで止められなくなってしまうというイメージがあるかと思います。ただ、依存の要因としては他になにか嫌なことがあって、そのことから意識を遠ざけるために自分が好きなものに熱中、結果として依存というパターンが多いそうです。このように嫌なことを避けることができる行動をよりたくさんするようになることを行動分析的には負の強化と呼びます。
僕もやらなくちゃいけないことが多いのについついスマホでゲームをしたり、ネットサーフィンをしたりしてしまう、ということが多いのできをつけたいですね。
また、他のプロセス依存とは若干違いますが、他人の視線が気になる人がマスクをすると気にならなくなって、いつしかそれがマスク依存になったりするような場合もあります。
また物質依存でもこのような傾向が見られます。嫌なことがあってお酒を飲んだりたばこを吸ったりするとすっきりするという人も多いのではないでしょうか。
二つ目はドーパミンなど脳内伝達物質の影響です。
脳内伝達物質であるドーパミンにはさまざまな働きがありますが、その一つに報酬に対する反応というものがあります。報酬というのは、自分が手に入れたい物だったり、望ましい刺激や出来事などのことを指しますが、これらを得ることができるとドーパミンが分泌されます。さらにここで重要なのが、目的を達成したときだけではなく、目的達成が予測されるときにもドーパミンが分泌されるのです。
当たったときだけでなく、後もう少しで当たりそう…というときにもドーパミンは放出されます。
最後に依存症の予防と対処について簡単にまとめておきます。
依存症になったらそれを自覚するのは難しいです。まず一番は依存症にならないようにすることかなと思います。
自分で時間やお金の限度を守る、使った時間やお金をメモして目立つ場所に置いておくなど依存症になりやすいかな、と思っている人はやってみるといいかもしれません。
もし、自分が依存症かも、と思ったら精神科やカウンセリングに行ってみると検査してくれたり、薬の処方や心理療法の相談をしてくれたりします。また、同じ依存症の自助グループがおそらくさがせばあると思うので、調べてみるのもいいと思います。