アレキシサイミア(alexithymia)は、1970年代アメリカのシフネオスが心身症の症状に関して説明するために提唱した概念です。
もともとはギリシア語に由来しており、
a…lack(欠如)
lexis...word(言葉)
thymos…emotion(感情)
を意味しています。
日本語では失感情症もしくは失感情言語症と言われており、以下のような特徴があります。
- 自分の感情や葛藤を言語化できず、情動の体験や表現が制限されている
- 想像力が乏しい
- 自身が体験したエピソードに関して話していても、事実ばかりで感情の表現がない
- 対人関係が希薄だったり、コミュニケーションが困難である。
アレキシサイミア傾向の強い人は、感情がないわけではありませんが、感情を人に表現するのが非常に苦手であるため、周りの人から見ると感情がないように見えてしまいます。
心身症とアレキシサイミア
シフネオスはアレキシサイミアと心身症の関連について、アレキシサイミア傾向の強い人は自身の感情に気づくことができないため、身体症状の異常として現れるのではないかと考えました。
また、アレキシサイミアの傾向が強い人は心身症以外にも、摂食障害、アルコール依存症、気分障害などになりやすいという報告もあります。
摂食障害とアレキシサイミア
海外では摂食障害の患者さんが健常者に比べアレキシサイミア傾向が強いという研究報告がされています。
感情をうまく他者に伝えることができないことが、抑うつや摂食障害傾向を強めるそうです。逆に、感情を共有する体験を積んでいくことで、他者に感情を伝えることができるようになり、精神的健康にもつながるそうです。
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