ロールシャッハテストとは
ロールシャッハテストは受検者にインクのしみの描かれた検査用紙を見せて、それがどのように見えたか答えてもらう、投影法の一種です。
ロールシャッハテストはスイスの精神科医ロールシャッハによって開発されました。ロールシャッハ自身はこのテストのことを知覚診断実験や形態判断検査などと呼んだりしていました。
ロールシャッハは「その人が表現するものはその人らしさを反映しているものである」、「同じ刺激で複数人が異なる反応を示した場合は、その差異は受検者個人の差異である」という前提のもと、ロールシャッハテストを開発しました。
ロールシャッハテストからわかること
受検者の連想には、経験、興味、気分、欲求、などが影響していきます。
ロールシャッハテストでは以下のような能力が評価されるとされています。
- 知的能力
- 自我機能
- 対人間のコミュニケーションの取り方
- 自己像についてのイメージ
ロールシャッハテストの実施
検査の中では検査用紙を一枚ずつ見せて、それが何に見えるかを何に見えるか、どうしてそのような判断に至ったか、などを聞いていきます。
検査用紙は全部で10枚あり、適当に用意されたわけではなく、インクの模様は決まったものが用いられています。
検査の中で、検査者は受検者の回答だけでなく
- 受検者の回答にかかった時間
- 図版の向き
- 受検者の態度や表情、反応
なども記録していきます。
ロールシャッハの解釈
検査で出てきた結果を記号化し、集計していきます。
集計のポイント
- 反応数
- 反応時間の早さ
- インクのしみのどの部分を用いたか
- どのような特徴を手がかりに判断したか(色、形など)
- 連想した内容はどのようなものか
- その内容は珍しいものか
- 適切な反応であるといえるか
分析方法
分析にはいくつかやることがありますが、
1形式分析…記号化によって得られた数値を分析していきます(量的分析)
2内容分析…知識や経験から反応や回答を解釈していきます(質的分析)
3継列分析…図版ごとの反応内容を分析していきます
ちなみに、ロールシャッハテストの解釈は非常に難解であるため、その方法もいくつかあります。
代表的な分析方法
アメリカ:クロッパ―方式、ベック方式、エクスナー方式など
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