統合失調症と喫煙

 

統合失調症と喫煙

 統合失調症は、主にドーパミンの過剰分泌が原因で引き起こされるとされている内因性の精神疾患で、妄想、幻覚といった陽性症状、やる気の低下や感情の平板化といった陰性症状が見られたりします。

詳しくはこちら統合失調症の症状、原因、治療法について - 心理学のはな

そんな統合失調症ですが、実は統合失調症患者の喫煙率はそれ以外の人と比べると非常に高くアメリカで行われた調査によると一般人口の3倍にもなるそうです。

 

当然その負担も大きく、統合失調症患者では呼吸器や心疾患など喫煙が要因で起きる身体疾患になっていることが多いそうです。また、身体的な問題だけでなく、金銭的にも統合失調症患者の月の収入の約3分の1がたばこ代に消えているという報告もあったそうです。

 

なぜ統合失調症患者の喫煙率は高くなるのか?

統合失調症患者の喫煙率が高くなる要因として、主に以下の2つのような理由があるとされています。

1.喫煙への喫煙への動機づけが低い

統合失調症患者の多くはまず統合失調症の治療やその継続が第一目標になります。そのため、通常の場合よりも禁煙に対するハードルが高くなっていることが考えられます。

 

2.ニコチンが治療薬の副作用を和らげる

たばこを吸うと血液中のニコチン濃度が増加し、ニコチン性アセチルコリン受容体が刺激され、ドーパミンが増加するというメカニズムがあります。

統合失調症ドーパミンの過剰分泌が原因の一つとされています。そのため統合失調症の治療薬である抗精神病薬ドーパミンの分泌を抑えるという効果があります。またその副作用として、ドーパミンが減少してしまったことで錐体外路症状が出てきてしまうことがあります。錐体外路症状錐体外路の障害によって、体の運動がなくなったり、逆に極端に増えてしまったりする症状です。

たばこを吸うとドーパミンが増加し、この錐体外路症状が改善されることがあるそうです。錐体外路症状抗精神病薬の副作用の中でも重たい方であるため、それが治まるとなると依存しやすいと考えられます。

 

禁煙への支援

近年では、禁煙に対して他の依存症のような治療やサポートが充実してきたため、昔よりも禁煙のハードルは下がってきているといえます。

また、近年開発されている非定型抗精神病薬は以前からある定型精神病薬に比べ、喫煙衝動が少なくなるようにされています。

 

 

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