性同一性障害の診断基準

 

性同一性障害の概要

性同一性障害は性的マイノリティの一種で、自認する性別と身体的な性別が異なる状態のことです。性同一性障害という呼び方が浸透していますが、「障害」という表記が適切ではないということから、DSM-5では性別違和、ICD-11では性別不合という表記がされています。

体が男性で心が女性である場合をMTF(Male to Female)、体が男性で心が女性である場合をFTM(Female to male) と分類されます。 

 

性同一性障害や同性愛をはじめとする性的マイノリティの多くは、以前は精神的な異常であるとされていましたが、現在では一個人の特性として尊重されるようになっています。

 

その上で、例えば性同一性障害では性転換手術を行うことが適切かどうかの判断をする必要があるため、診断を行っていきます。

 

性同一性障害の診断

性同一性障害の診断では、通常の場合、まず2人の精神科医が対象者の養育歴、生活歴、性行動歴などからジェンダーアイデンティティの判断を行ったり、自分自身の性別に対して持続的な違和感や不快感はあるか、反対の性別に対して持続的な一体感はあるか、反対の性別の役割を求める気持ちはあるか、などを聞いていったりします。診断と言っても風邪などの診断と違い、長期にわたって行われることが多く、数か月から数年に及ぶこともあります。

 

自身のジェンダーアイデンティティを否定している理由が統合失調症によるものと思われる場合や、社会的な利益を得るためにジェンダーアイデンティティを否定していると思われる場合にはこれに当てはまりません。

 

その後、泌尿器科や婦人科の専門医によって現在の身体的性別を判定します。身体の診察や染色体検査、性ホルモン検査が行われます。

 

以上のような診断を経て、身体的性別とジェンダーアイデンティティが一致していないと明らかになれば性同一性障害と分類されます(ちなみに、ネット上にも数分で性的マイノリティかどうかわかる心理テストがありますが、あまり信頼性は高くないと思われます)。

 

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