愛着行動の発展

 

愛着行動とは

愛着とはボウルビイ(1907~1990)が提唱したもので「特定の対象との情緒的な結びつきを指し、乳幼児が母親との情緒的な相互作用を通して形成される、母親と確固たる絆である」と定義されます。そしてそんな愛着の存在を示す行動を愛着行動と言います。

ボウルビイは母親からの愛情と母親に対する渇望は子どもにとって空腹と同じくらいの欲求であり、母親の不在は非常に強い喪失感や怒りを子どもに与えると主張しました。

ちなみにここでいう母親とは厳密には母性的人物のことであり、必ずしも乳児の母親でなければいけないわけではなく、父親など母親以外の養育者がこの役割になることもあります。

 

愛着行動には近づいたり後を追いかけたりする定位行動、母親の体に抱き着いたりよじ登ったりする能動的身体行動、微笑んだり泣いたり声を挙げたりする発信行動などがあります。

 

ボウルビイは愛着行動が乳児において発生する過程を4段階に分けています

第一段階

人に興味を示しても、人を区別した行動は見られない段階です。

生まれてから8~12週間ほどまで続きます。具体的にはつかんだり、手を伸ばしたり、微笑んだり、泣け叫んだりします。

第二段階

母親とそれ以外の人とを区別した反応は見られるが、母親がいなくなっても何か特定の行動が見られるわけではない段階です。第一段階が始まってから6ヶ月頃まで続きます。

第三段階

愛着の形成が見られ、愛着行動が活発な状態です。この段階は生後6,7か月ごろから始まり、2歳頃まで見られます。母親が出かけようとするとそれを追いかけたり、帰ってくると出迎えるなど、母親に対する愛着行動が顕著に見られます。また、父親や祖父母などが二次的愛着対象人物になることもあります。

第四段階

愛着対象との身体的接近を必ずしも必要としない段階です。これは対象の永続性を理解できるくらい成長し、母親が近くにいなくても存在しなくなったわけではないことがわかるようになっているためです。また、この時期になってくると母親の感情などに関しての洞察もできるようになってきます。

 

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