ドライ・ドランク ー飲んでないのに酔っ払いー

ドライ・ドランク(dry drunk)とは、アルコール依存症自助グループであるA.A.に伝わる言葉です。

「しらふの酔っ払い」ともいわれ、アルコール依存症で、断酒をしている人が実際にはお酒を飲んでいるわけではないのに飲んでいた時と同じような行動をしてしまうというものです。

 

興味深いのは、単に怒りっぽくなったり泣き上戸になったりするわけではなく、その人が実際に酔っ払ったときと同じような状態になるということです。つまり酔っ払って気が大きくなる人は気が大きくなるし、抑うつ的になる人は抑うつ的になります。

 ドライ・ドランクで共通して見られやすい症状として、以下のようなものがあります。

  • 実際に酔っ払ったときに見られた言動
  • 息が酒臭くなる
  • 二日酔いになったように感じる
  • 手が震える
  • 衝動的になる
  • 自分が万能だと感じる
  • 金遣いが荒くなる

 

最も避けなければいけないのはこのドライ・ドランクが再飲酒の引き金になるということです。

例えば、ドライ・ドランクの症状が現れることで家族に不信感を抱かれ、そのストレスややるせなさから飲酒につながってしまう場合があります。

もちろん、このような症状が見られれば当然家族としては「お酒を飲んでしまったのではないか」という疑惑を持つのも無理ないと思いますので、家族も一概に悪いとは言えません。

 

また、感情的に極端にポジティブになったり逆にネガティブになったりすることも、危険の一つです。

例えば万能感から生じる過度の自信によって「自分はもうお酒におぼれることは絶対にない!」と考えてそれまで避けていた飲み会にいくようになり、結果として再飲酒をしてしまったというケースがあります。他にも過度なネガティブ思考に陥り引きこもりになって、酒びたりの生活になってしまうということも考えられます。

 

ドライ・ドランク自体を避けるというのは難しいですが、患者本人や家族、担当の治療者がドライ・ドランクについてあらかじめ知り、理解することで、再飲酒の危険は減るのかなと思います。

 

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参考資料

 

 

心理学のはな

 

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