電気けいれん療法とは?
電気けいれん療法は(ECT、通電療法、電気ショック療法)は頭部に通電することで全般性けいれんを起こしてうつ病などの精神症状を改善させようとするものです。近年ではけいれんを起こさない無けいれん電気療法というものも存在します。
主に中程度のうつ病、メランコリー型のうつ病に有効とされています。また統合失調症の治療にも用いられることがあります。
上記の疾患は基本的には薬物療法で治療を進めていくことが多いですが、薬物療法で効果が見られない場合や早急に症状を改善させていく必要がある場合などに電気けいれん療法が選択肢に挙がることが多いです。
ECTのメカニズムは詳しくわかっていませんが、電気によって脳内の神経を興奮させて、セロトニンなどの神経伝達物質が放出されることで症状が改善されるのではないか、と考えられています。
効果と危険性
気になるその効果ですが、かなり高い効果が見られたという報告があります。
80~90%の患者でうつ病症状が改善されたそうです。また薬物療法で効果が見られなかった患者でも50%は病気が良くなったそうです。
さらに効果が出るタイミングも1~3回ほど施行すると出てくることが多く、薬物療法と比べるとかなり早いです(どのくらいの頻度で行うかにもよりますが)。
デメリット
そんなECTですが、いくつかデメリットもあります。
まず一つ挙げられるのが、比較的重い循環器疾患を持っている人、脳梗塞の経験がある人などは危険な場合があるため、ECTの実施が許可されない場合があることです。
他の治療法と同様、副作用もあります。具体的には術後に頭痛や筋肉通、吐き気などが見られることがあります。その他、術前の一部の記憶が思い出せなくなるなどの認知機能障害やせん妄が見られることがあります。ただしこれらの副作用は一時的なもので、どれもしばらくすると改善することが多いです。
また治療の際に麻酔を打つため、その副作用もでることがあります。
その他、短期的には非常に効果のある治療ですが、再発しやすいのが難点とされています。
また、これは個人の意見ですがやはり頭に電気を通すというのが安全で効果的とわかっていても抵抗がある人は多いみたいですね。
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参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsma1939/63/1/63_1_21/_pdf