性同一性障害の治療

 

 

 

 

性同一性障害とは

性同一性障害(Gender Identity Disorderは体の性別(生物学的性)と心の性別が異なっていることで、自分の体の性別に不快感や違和感を持っていて、反対の性別になりたいと思っている状態です。DSM-5では性的違和(Gender Dysphoria)と書かれています。誤解されがちですが、レズやゲイなどの同性愛とはまた違ったものです。

体が男性で心が女性である場合をMTF(Male to Female)、体が男性で心が女性である場合をFTM(Female to male) と分類されます。

 

精神疾患と思われる方もいるかもしれませんが、精神疾患という認定はされません。また、治療も心の性を体に合わせるわけではなく、体を心の性に合わせるよう手術を行うことが多いです。

 

性同一性障害の方が抱える悩みとして、周りの人に心の性を理解してもらえないことが挙げられます。体の性別だけで性を判断されて「もっと男らしく」「女の子だからそんなことしないの」と言われたり、制服などで異なる性別の服を着ることがストレスになる方も多いそうです。他にも好きな人ができても打ち明けられなかったり、トイレが使いづらい(最近は多目的トイレなども普及していますが)など、性同一性障害でない人は気づきづらい点ですが、生きづらさを感じることも多いそうです。

 

 

治療

先ほども書いたように性別適合手術によって体の性を心の性と一致させます。ただ、いきなり手術をするわけではありません。精神科でそれまでの生活や性同一性障害による苦痛の経験などについて聞き、自己の性別意識を明確にしたり、どちらの性別で過ごしていくのがいいのか話し合うことになります。精神科医とのカウンセリングが終わった後、ホルモン治療やFTMの人は乳房切除術、性別適合手術などをを検討、実施していきます。

 

自由診療であるホルモン治療を受けてしまうと、本来保険適応されるはずの性別適合手術が保険適応されなくなってしまい、手術に料金が3倍以上になってしまうそうです。なぜこのようなことになるかというと、一つの病気で自由診療(保険適用のない治療)と保険診療(保険適応のある治療)の両方を行った場合、混合診療となりどちらにも保険が適応されなくなるためです。性別適合手術を行おうと考えている方は注意した方がいいかもしれません。

 

 

性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律 

2003年に成立した法律です。

 

医師に性同一性障害と診断された人で

・20歳以上

・結婚していない

・未成年の子どもがいない

・生殖腺がないか生殖腺の機能を永続的に欠く状態である

・身体の他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えている

 

これらの条件を満たせば戸籍の性別変更を認められます。

 

 

 

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