気分安定薬の分類

 

 

気分安定薬ムードスタビライザー)は主に双極性障害において用いられます。名前の通り、躁とうつなど気分が不安定な状態を安定させる効果があります。

 

日本で処方されている薬のうち、気分安定薬の効果がある主な薬には以下のものがあります。

炭酸リチウム(リーマス

バルプロ酸ナトリウム(デパゲン)

カルバマゼピンデグレトール)

ラモトリギン(ラミクタール)

オランザピン(ジプレキサ

アリピプラゾール(エビリファイ

 

このうち、バルプロ酸ナトリウムカルバマゼピン、ラモトリギンは主に抗てんかん薬として用いられています。オランザピン、アリピプラゾールは抗精神病薬なので、統合失調症の治療にも用いられます。

それぞれ見ていきましょう。 

 

 

炭酸リチウム

リチウム塩は、そのメカニズムには不明な点があるものの躁状態に効果があることがわかっています。

双極性障害の薬物治療において必ずと言っていいほど名前が出てくる薬なので、心理士志望の方でも覚えておいた方がいいかなと思います。

炭酸リチウムはリチウム中毒という副作用が出やすいです。はじめは消化器症状として出てきてその後運動障害、傾眠、昏迷、不穏などが見られるようになっていきます。

リチウム中毒は炭酸リチウムの血中濃度が高くなったときに起こるので、定期的な血中濃度測定を行う必要があります。

血中濃度が高くなる原因として単純に投与する量が多いことは想像しやすいですが、脱水を起こした際にも濃度が高くなるので、注意が必要です。

 

 

バルプロ酸ナトリウム

てんかんの治療にも用いられる薬剤ですが、かなり昔から気分安定薬としても用いられてきました。

効果が出ることが多く、 副作用も比較的少ない方ですが、肝臓への負担が大きいのには注意が必要です。

 

 

カルバマゼピンデグレトール)

主にてんかんの治療薬として用いられることが多いですが、三叉神経痛などにも効果があることが示されています。気分安定薬としての効果も高いです。

ただし、この薬は副作用が強いです。消化器症状、傾眠、ふらつき、倦怠感などが見られます。

さらに、副作用の中でも特徴的なものにスティーブンス・ジョンソン症候群があります。唇や口の中、眼、体中の皮膚などに紅斑やびらん(いわゆる「ただれ」)ができてしまう疾患です。

 

 

ラモトリギン(ラミクタール)

これもてんかんの治療に用いられることのある薬で、比較的最近開発されました。副作用も他の気分安定薬と似たようなものが多く、消化器症状、眠気、ふらつきなどが挙げられます。

 

 

オランザピン(ジプレキサ

アリピプラゾール(エビリファイ

この2つに関しては非定型抗精神病薬として、統合失調症の薬物治療として用いられてきましたが、躁状態に対しても効果があることが認められています。

 

 

 

 

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