オペラント条件づけを勉強すると、正の強化、負の罰といった用語を耳にします。これらは少しわかりづらいところがあり、その判断が難しいと感じている人も多いです。そこで今回はこれらの違いや具体例を簡単に紹介したいと思います。
まず、オペラント条件づけと用語の解説です。
オペラント条件づけは行動の結果によってその行動の生起頻度が増減するというものです。
この行動の結果のうち、行動の生起頻度を増加させるものを強化、減少させるものを罰といいます(罰は教科書によっては弱化とも書かれます)。
また、結果の解釈は報酬(好子)が得られる(正)か取り除かれる(負)か、嫌悪刺激(嫌子)が得られる(正)か取り除かれる(負)かというように判断されます。
例えば、犬がお手をしたときにエサがもらえたときは、お手をするという行動の結果として、エサ(好子)を得た(正)と言えます。
好子(強化子)というのは行動の後に出現するとその行動の生起頻度を上げるような刺激や出来事や条件のことです。反対に嫌子(弱化子)は行動の後に出現するとその行動の生起頻度を下げるような刺激や出来事や条件のことです。
また「正」「負」というのは行動に影響を与える好子や嫌子が得られたことや消失したことを表しています。正ならば得られた、負ならば取り除かれたことを表しています。
皆さん間違えやすいところで、正=好子、負=嫌子と思ってしまいがちですが正負は好子や嫌子を表しているわけではないので注意しましょう。
では実際に用いられる正の強化などの用語としてみてみましょう。ここまでの内容が理解できれば簡単です。
オペラント条件づけの結果は以下の4つです
好子を与えられて行動が増加する正の強化
嫌子を与えられて行動が減少する正の罰
嫌子を取り除かれて行動が増加する負の強化
好子を取り除かれて行動が減少する負の罰
それぞれの例
正の強化
お手伝いをしたときほめられたので、以降お手伝いをすることが多くなった
行動→お手伝いをする
結果→ほめられる=賞賛(好子)を与えられる(正)
⇒行動増加
正の罰
ごはんを2合食べたらおなかが痛くなったので、それ以来ごはんを食べすぎないようにした。
行動→ごはんを2合食べる
結果→おなかが痛くなる=おなかの痛み(嫌子)を得る(正)
⇒行動減少
負の強化
お酒を飲むことで不安が忘れることができたので、お酒を飲むことが増えた。
行動→お酒を飲む
結果→不安を忘れる=不安(嫌子)がなくなる(負)
⇒行動増加
負の罰
障子に穴を空けて遊んでいたら、親におやつ抜きにされたので、以来障子に穴を空ける遊びはしなかった。
行動→自転車で危険な運転をする
結果→おやつ抜きにされる=おやつ(好子)を失う(負)
⇒行動減少
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