ゲーム依存症の症状をDSM-5 の診断基準を参考に見ていきたいと思います。
参考書籍
ゲーム依存症の主な症状
ゲームへのとらわれ
寝ても醒めてゲームのことしか頭になく、仕事や勉強中でもゲームのことを考えてしまっている状態です。もしかしたらゲーム好きの人ならこのような状態になった経験もあるかもしれませんが、依存症の場合、このようなとらわれが何カ月も、何年も続くことがあります。
依存・離脱症状
他の依存症のように耐性や離脱症状が見られます。
耐性とはそれまでと同じプレイ時間では今まで通りの満足できなくなり、プレイ時間が伸びていくことです。
離脱症状とはゲームをやらないようになるといらいらしたり、キレやすくなったり、言動がおかしくなったりすることです。
この耐性や離脱症状はアルコール依存症でも見られます。ゲームに依存するのもお酒に依存するのと同じくらい怖いということですね。
ゲーム利用のコントロールができない
「30分だけやろう」とか「きりのいいところまでやろう」とやり始めたが最後、いつまでたってもゲームを止めることができないという状態です。
ひどいケースだと、食事を全くとらずにゲームをして死亡したり、病気で激痛に襲われているときでもゲームを続けたりする人もいるそうです。
ゲーム以外のことへの興味を無くす
ゲーム以外への興味の喪失は他人から見てもわかりやすいことが多いと思います。
例えば、ゲーム以外にも音楽を聴くことが趣味だった人が一切音楽を聴かなくなったり、服装にこだわりのあった人が同じ服を何日も着続けるようになったりします。
現実逃避のためのゲーム使用
通常ゲームは楽しいからするものですよね。ただ、ゲームに依存する人にありがちなこととして、現実の嫌なことを忘れるためにゲームをするといった特徴があります。行動分析学的に言うと、正の強化でゲームを行っていたものが負の強化になってしまっている状態です。
ゲームのやりすぎで生活に支障がでていることを自覚しているのにも関わらず、ゲームを止められない
「俺はゲームだけやり続けて死んでやるんだ!」というゲーム依存症の方は少ないようです。みんなゲームのし過ぎで失ったものをわかっているのにも関わらず、止められない状態になっています。
ウソをつくようになる
ゲームのプレイ時間を少なく言ったりするだけでなく、家族が寝静まった後にゲームをしたり、仕事と称してパソコンを開いていても実はゲームをしていたりします。
まとめると、
・インターネットゲームへのとらわれ
・インターネットゲームができない状況で離脱症状が出る
・耐性がついてきてインターネットゲームをする時間が増加してきている
・インターネットゲームのプレイ時間を自分でコントロールできない
・インターネットゲーム以外の趣味・娯楽への興味の喪失
・インターネットゲームの使用を続けることによる問題を自覚しているのにもかかわら
ず、その使用が止められない
・他の人にゲームのプレイ時間を聞かれてウソをついたことがある
・不安や罪悪感などネガティブな気持ちを忘れたり、無くすためにゲームをする
・ゲームを優先して、他の大事な仕事や交友関係に支障がでたことがある
以上の9項目のうち5項目以上が当てはまっているとゲーム依存症と診断されます。
ちなみに、診断基準には含まれていませんが、ゲームのし過ぎを自覚している中高生の具体的な症状として、男性女性ともに学業成績や仕事のパフォーマンスの低下、朝起きられなかったこと、昼夜逆転の傾向が顕著にみられています。
そして、全体的に女性よりも男性の方がゲームによる問題が出てくる割合が多いです。
もしかしたら、ゲーム依存症は男性の方が陥りやすいのかもしれません。
また、ゲーム依存症では、前頭前野の働きが悪くなります。前頭前野は衝動性を抑えたりする機能のある脳部位で、ここの働きが悪くなるとキレやすくなったりします。ゲームで負けていつも以上にキレた経験はありますか?あったら要注意です。