身近な人がPTSDになったら?

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以前PTSDについてその概要にまとめましたが、今日はより実践的な話として身近な人がPTSDになったらどのような対応が良いのか、逆にやらない方がいいことはなんなのか、書いていきたいと思います。

 

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今回紹介することはPTSDを発症した方の負担を減らしたり、症状の悪化を防ぐためのもので、治療法ではありません。もし身近にPTSDで苦しんでいる方がいたら、精神科やカウンセラーに相談に行ってみてもいいと思います。

 

PTSDは心的外傷(いわゆるトラウマ)となる出来事を経験し、そのストレスを対処しきれず、慢性的にそのダメージを引きずってしまうストレス障害です。トラウマとなる出来事は様々で、被災、戦争体験、レイプ、家庭内暴力などがあります。

 

 

やらない方がいいこと

 

否定すること

「そんなこと大したことないよ」というような相手の気持ちを否定するような言葉、つらさを理解しようとしない言葉はやめましょう。相手を傷つけてしまいます。

 

 

過度な励まし

「がんばれ」などはうつ病の人には不用意に言わない方が良いとはよく言いますが、PTSDの方にも言わないのが無難です。また、「~の方がつらい」的な言葉もNGです。

励ましは結構やってしまいがちですが、投げかける言葉には気を付けた方がいいかもしれません。

 

 

相談を受ける側が一人で抱え込む

一人で抱え込むと代理受傷に陥る危険があります。代理受傷とは、トラウマとなった出来事を聞いているうちに聞き手の側も精神的なダメージを受けることです。ダメージが回復されないまま蓄積していくと、聞き手もまたPTSDのように深刻な状態になります。

 トラウマへの支援は一人で行わず、複数人で協力して行うことが挙げられます。もちろん、自分だけの力で複数人ケアのできる人間を集めるのは難しいと思いますので、専門家のカウンセラーにつなぐことが大切です。

 

 

 

具体的に言わない方がいいことまとめ

否定的な言葉

・あなただけがつらいわけじゃない

・もっとつらい人もいるよ

・がんばれ

・過去のことは忘れましょう

・いつまでも悲しんでいたら、亡くなった人が浮かばれないよ

・なんだ、思ってたより元気じゃん etc

 

 

ではどのような対応をしていくべきなのでしょうか。

 

 

 

 

 

実は何か特別なことをするよりも、普段通りに接していくことが良いと思います。無理にトラウマについて話してもらおうとすると、聞かれること自体がストレスになってしまうためです。

 

そのうえで、何かトラウマ体験に関する話を聞くときは、上に挙げたような言葉を言わないよう気をつけて傾聴していくことが大切です。傾聴というのは、何か意見を言ったり、否定したり、遮ったりせず、話を聞き続けることです。クライアント中心療法の記事で詳しく書いてあります。

 

 

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PTSDは戦争や災害などが起きると、大勢の人が発症し社会問題になりがちです。

日本では阪神淡路大震災東日本大震災で被災された方々でも、多くの方がPTSDに陥ってしまったそうです。

防災対策の一環として、PTSDを発症された方との接し方を学んでおくのも良いかもしれません。

 

 

 

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