前回は強迫症の基本的な症状について書きましたので今回は関連障害についてまとめていきたいと思います。
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DSM-5では強迫症は「強迫症および関連症群/強迫性障害および関連症群」というように書かれています。
強迫症(強迫性障害)はもともと、DSM-Ⅱまでは強迫神経症と呼ばれていました。
ですが、それまでの病因論的な診断基準を排除したDSM-Ⅲから今のような形になりました。
さらにそこに、DSM-5では不安障害の区分に含まれていたところを独立した区分になり、他のカテゴリーから移動してきた障害もあわせて、現在のようになりました。
ではそんな強迫症関連症にはどんなものがあるのでしょうか。
不要な、他の人から見たらごみのようなものまで、大量に集めたり捨てられなくなってしまう病気です。
診断基準としては物を異常に集めたり、集めたものの整理ができない、集めたものが捨てられないことが挙げられます。
そして趣味で何かを集めたり、面倒くさいからかたずけていないわけではなく、自分でも物が大量に散らかった状態を苦痛に感じているものの、捨てることにもまた不安を感じるという矛盾を抱えています。
溜め込むものは様々で、価値のある物、ゴミ同然の物、ペットなどがあります。
抜毛症
抜毛症(ばつもうしょう)は別名トリコチロマニアと言って、無意識に髪など体毛を抜いてしまうという病気です。体の毛を無くそうといった意図は全くなく、むしろ減らないようにしようと思っているのですがどうしてもむしってしまうそうです。
皮膚かきむしり症
その名の通り、何度も繰り返し皮膚をかきむしってしまうという症状です。
皮膚をかいたりむしったりすると不安が解消されるそうです。
手持ち無沙汰で指のささくれをむしってしまうようなものでしょうか。ただ、傷ができてもやめることができないため、かなり大変です。青年期の女性が発症する割合が一番多いそうです。
自分自身の見た目が醜いと異常に思い込んでしまう症状です。全体的な見た目というよりも特定の部位に対して醜いと思い、そこを何回も鏡で見たり何時間も治す方法について調べたりするため、日常生活がままならなくなっていることが多いです。
以前は身体表現性障害に分類されていましたが、見た目に対する強迫的なこだわりが見られていたため、強迫関連障害に分類されるようになりました。
その他物質・薬物誘発性の強迫関連障害や身体疾患による強迫関連障害などがあります。
強迫関連障害は基本的な成因や治療法は強迫症と同じものが多いです。多くの場合、不安や恐怖を解消するために強迫観念や強迫行為にとらわれ、結果として苦しむようになっていきます。
また、治療法も強迫症と同じくエクスポージャー法などの認知行動療法、場合によっては薬物療法などが有効です。
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