今日は発達障害を持つ人がどのようなことで悩むのか、主に人間関係などに注目してまとめていこうと思います。
二次症状
発達障害の基本症状のことを中核症状と言います。
中核症状はADHDなら落ち着きがない、一つのことに一定時間注意を向けるのが苦手などで、学習障害なら人にもよりますが文字を読むのが苦手、簡単な計算ができないなどが挙げられます。
ただ実際にはこれら中核症状だけでなく、そこから引き起こされる社会的な問題で悩まれている方も多いです。
例えば、落ち着きがない、という中核症状を持つ子どもが、授業中にもクラスメイトに話しかけたりしてしまう。そのうち友達からも煙たがられるようになっていく。
次第に周囲から孤立していき、いじめや無視が起こってくる場合もあります。
すると本人の中でもやる気が下がったり、自尊心がなくなったりして、引きこもって社会とのかかわりを避けたり、周りの人とのコミュニケーションがすさんでいくようになります。
そしてそれによって周りはさらに冷たい対応をとるようになり、そして自尊心が下がり…
発達障害の大変さは、その中核症状もそうですが、
中核症状による社会的問題
↓
周囲の無理解
↓
本人の心理的負担
↓
問題行動の増加
↓
周囲からの孤立
↓
本人の心理的負担
といったような負のスパイラルに陥りやすいということも挙げられます。
このような中核症状以外の問題を二次症状と言ったりします。
発達障害では基本的な症状もそうですが、周囲の無理解による生きづらさというのを感じている方もかなり多いです。
対応
発達障害と一言でいってもその種類は人によってさまざまで、支援の仕方も千差万別です。
なので、支援の仕方はまず本人がどんなことで困っているのかをしっかり判断することが大切です。
学習障害で文章を読むのが苦手という人だったら声など音声による学習ができるようにする、自閉症スペクトラム障害で暗黙の了解を理解するのが苦手だったらあらかじめ明文化しておくなど、それぞれの特性に応じた支援をするためには本人に聞いてみないと意外とわからないです。
大事なのは問題となっている行動の原因を「発達障害だから」とせず、行動レベルにまで分析して考えることです。
例えば、ADHD傾向のある自分の子どもが家で勉強しない。宿題が終わるまでは遊んじゃダメと言っても5分くらいあると立ち歩いたり、テレビを見たりしている。そういった状況でどうして落ち着きがないのかと考えたとき「ADHDだからなあ」と結論づけてしまうと問題解決には届きません。
発達障害であるという前提をひとまず置いて、その子の様子を観察していると何か新しい発見が見つかることも多いです。例えばテレビがついたり家の外で車が通りすぎたりしたときに離席してしまうことが多い、あるいは目を離したらすぐに遊んでしまうなど、どんな刺激がどんな行動を誘発するのか気づくことができます。そうすると、勉強中はテレビをつけない、窓を開けない、目の届くリビングで勉強させる等の適切な対処がとれるようになります。
この「障害ではなく行動単位で問題を観察する」というのは非常に大切で、前述した二次症状の場合は特にこのような考え方を念頭に置いた方が良いと思います。