メスメルの動物磁気

動物磁気というのをご存知でしょうか?

 

これは18世紀、フランス革命の頃のドイツ人の医師メスメルが提唱した人間の中にあるエネルギーのことです。

 

メスメルはこのエネルギーを治療に使えると考え、応用していきました。

 

現在では動物磁気の存在は否定されていますが、メスメルが生きていた当時にも結構批判的な意見もあったようです。

 

例えばメスメルは治療にグラス・ハーモニカを使っていたのですが、これは当時死霊を呼び出す楽器として恐れられていました。そのため、ウィーンから追放されてしまったのです。

 

その後もパリに行きますが、そこでも風当たりが強かったようです。

 

結局1784年、当時のフランス政府によって動物磁気の存在は否定されてしまいます。

 

動物磁気の存在自体は否定されましたが、暗示について注目されるようになり、やがてフロイトなどの研究にもつながってくる催眠の始まりにもなったのは大きな功績と言えます。

 

功績だけ見るとかなりオカルトチックですが、

まあかなり昔の方なので仕方がないでしょう。

 

ただ、自然科学の発展に伴い、精神疾患の原因を悪魔のような宗教的なものから身体的精神的なものに移り変わっていた当時の医師たちの試行錯誤が垣間みえて、個人的にはかなり面白い人物です。